近年、新たなお墓のかたちが増加してきていますが、実際には首都圏を中心とする大都市に集中しています。

多くの地方都市では、まだまだ墓地の選択肢というものが限られている現状があります。

ましてや、地方で過疎化が進んでいる中では、当たり前の事ですがお墓はむしろ「墓じまい」に向かっていくわけで、新たなお墓の選択肢を望むのは難しい状況にあります。

そんな中では、どうしても行政の公営墓地に期待が集まります。

しかしながら、公営墓地の現状もあまり良くありません。平成24年から、墓地、埋葬などに関する権限の殆どが市町村に移行されたのですが、地域の実情に合わせた墓地埋葬行政は、未だに過渡期にあります。

多くの自治体では、公営墓地が整備されているのですが、実際には無縁墳墓の増加が問題になっているのです。

これは要するに、公営墓地が十分供給されているというよりは、過疎化の進行が無縁墳墓の増加につながっていると分析する事もできます。

無縁墳墓が増えていく事の要因の一つとして、公営墓の多くに使用期限が設けられていない事があると考えています。いわゆる「永代使用権」です。

こららの問題に対して、何かしらの対策を講じたり検討したりしている自治体はまだ少ないのが現状です。

宗教離れが進み、自治体など行政による公営墓地が好まれる傾向も強いですが、地域によってはこれまでの歴史的な経緯などで、お寺を中心とする宗教法人による墓地供給が前提になっていて、まだ社会構造の変化に対応した墓地整備が進んでいない所が多いのが今後の課題だと思います。