今回は日本とドイツの樹木葬墓地を比較したとき、最も大きな文化的な違いを少しご紹介させて頂きます。

まず、ドイツでは埋葬箇所の上を歩くという点があります。日本では埋葬箇所を他人に踏まれる事に対して抵抗感がある人が殆どだと思います。

ドイツでは自然葬として割り切っている人の方が多いのです。ドイツの樹木葬墓地でも、埋葬直後はお花が飾られているケースが多いので、どこに遺骨があるかが他の人にもわかりますが、10日もすれば、普通の森林と地面の見た目が変わらなくなってしまいます。

そのために、墓参に訪れる人は、知らず知らずのうちに他人の埋葬箇所の上を歩くことになってしまうのです。

日本では埋葬箇所を踏まれないようにするために、石のプレートを置いたり、埋葬場所と参拝場所を空間的に分けて、埋葬場所に人が立ち入れないようにしたりといった空間的な工夫が行われています。

また、密集して埋葬する都市型樹木葬では、埋葬に遺族が立ち会えないルールにしたりして、利用と管理の時間を分けることで、管理者が埋葬場所を踏んでいる様子を利用者に見せないといった工夫をされている場合もあるのです。

ドイツでは、森の中を歩いていても、樹木に掛かっているネームプレート意外では、一見してどこに遺骨が埋まっているかが分かりません。

しかし、実際には埋葬箇所は全て地図上に記録され、コンピューター管理されています。

森林管理の技術が応用されているので、墓域内の全ての樹木は、樹種や年齢が全て地図上に記録されているのです。